更新日:2023年3月30日
市職本部闘争委員会は3月23日、市側と団体交渉に臨み、2023年度要員確保に関する申し入れへの「回答」を引き出した。
交渉の冒頭で市職本部は、22年度要員配置問題として新型コロナウイルス感染症への対応に言及。今年度も度々行われた兼務発令や応援派遣に伴う欠員により、経常業務に支障をきたす職場が多数生じた現状を指摘し、非常時に耐えうる要員数の確保や業務執行体制構築に対する検討や改善が行われていない結果だと強く批判した。
そのうえで回答各項目に対して認識を示し、必要な対応を改めて求めた。
23年度から定年年齢の段階的引き上げにより、当面の間は原則として2年に一度は定年退職者が生じないが、職員の年齢構成のゆがみや技術継承の観点、安定的なサービス提供体制のためにも計画的な新規採用者の確保を求めた。市側は定年退職者が生じる年度と生じない年度の2年間で平準化すると応えた。
また、技術職や専門職の一部で連年に亘って若年層の採用確保が難しくなっている状況を指摘。技術継承や実務経験、養成の観点も含め現場意見を十分にふまえた配置を行うよう求めた。さらに数年来すべての職種で増えている「年度途中退職」にも言及。次年度まで欠員を抱え、職員の業務量増に繋がっていることに対し、市側は今年度の採用試験要綱から、予定日より前に採用することもあると記載していることを明らかにした。
そのほか、大規模災害や新型コロナウイルスなどの感染症発生時における応援派遣や、事業担当主事の退職等に伴う欠員は勤務労働条件に明白な影響を与えるとして、当該支部と所属間で十分な交渉・協議が行われるよう強く求めた。市側は業務執行体制に影響を及ぼさないよう関係所属と連携を図るなどとした。
最後に、この間の感染症対策や近年の災害対応において要員不足が明らかとなっているにもかかわらず、「市政改革プラン」に固執する市側姿勢を非難。「非常時」が現実となった今、「改革プラン」に基づく人員マネジメント推進の考え方は破綻しているとして、抜本的な見直しを強く求めた。さらに、新年度の業務執行体制が「超過勤務の増大や年次有給休暇の未取得日数の増加など、労働環境の悪化の上に成り立つものではなく、本来あるべき業務量の積算などを行ったうえで、適正な労働条件のもとに築かれなければならない」と強調して、団体交渉を終えた。