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更新日:2019年10月4日

2019年大阪市人事委員会報告及び勧告
月例給・一時金ともに引き上げを勧告
公民較差0.34%(1339円)、一時金は0.05月分を引き上げ
相対評価結果の昇給号給数への反映見直しにも言及

 大阪市人事委員会は10月4日、市長と市会議長に対して2019年の「職員の給与に関する報告及び勧告」を行い、市労連にも「報告・勧告」について説明を行いました。勧告内容は月例給を0.34%(1,139円、一時金を0.05月分引上げるなどとするもので、2年連続の引き上げ勧告となりました。市労連は「引き上げは当然の結果として受け止める」としました。そのうえで、総合的な人事・給与制度の構築への言及とともに、高齢層職員の給与のあり方については、生涯賃金に影響を及ぼすような検討は行わないよう強く求めました。今後市労連は、10月10日に開催する定期大会で方針を確立し、賃金改善を求めて2019年賃金確定期の交渉を推進していくこととしています。

 本年4月時点の月例給の公民較差は0.34%(1,139円)。人事委員会は、民間との差をふまえ、初任給の給料月額を大学卒で1,500円、高校卒は2,000円引き上げるとともに、格差の範囲内ですべての級において、1,000円程度を基本として定額による給料表の引き上げ改定を行うことが適当だと言及しました。再任用職員もこれらに準じた改定に言及しました。また、保育士給料表についても初任給を含む若年層を中心に引き上げるよう言及しました。本年8月、人事院が改定勧告した住居手当については、「国や他都市の状況を注視しつつ調査・研究する」との表現にとどまりました。

 人事管理制度面では、人事評価制度について、相対評価区分に応じた給与反映は勤勉手当のように成果や実績を単年度で反映させることが望ましく、昇給号給数へ反映することは「生涯賃金への影響が大きい」として見直す必要があるとしました。また、制度本来の目的である人材育成や執務意欲の向上に資するものとなっているかを十分に検証し、人事評価制度のあり方全般について検討する必要があるとも言及しています。

 長時間勤務の是正では、時間外勤務の上限規制導入の趣旨に反した賃金不払残業の発生防止などに重点を置くことや、男性職員の育児・介護休暇の低取得率を念頭に、意識改革はもとより休暇を取得できる職場づくりが重要だとしました。また、テレワーク(在宅勤務)や時差勤務制度、休憩時間の選択制などについても適宜検証し、必要に応じた改善を図る必要があるとしました。

 市労連は、人事委員会が昨年に引き続き民間給与の極端なデータを除外したことによる影響額(0.07%)を指摘。「職員の給与水準引き下げが目的だ」として、国や他都市と同様の従来の手法に改めるよう求めました。

 さらに、「号給の増設については慎重に検討」としたことに対し、勤務意欲の観点からも研究・検討ではなく、早急に抜本的な見直しが必要だとの認識を示したうえで、総合的な人事・給与制度の構築に向けた言及を行うよう引き続き求めました。また、定年の引き上げにかかわり、60歳前の職員も含めた高齢層職員の給与などを包括的に検討する必要に言及したことについて、現行の給与水準を維持することはもとより、「生涯賃金に影響を及ぼすような検討は行うべきではない」としました。