更新日:2018年8月26日
人事院は8月10日、国会と内閣に対して、国家公務員給与の月例給を0・16%・655円、一時金(勤勉手当)を0・05月分引き上げるよう勧告を行いました。月例給・一時金とも5年連続のプラス勧告となりました。俸給表については、初任給を1、500円程度、若年層についても1、000円程度、その他は400円を基本に引き上げるとしました(給与改定では平均0・2%の引き上げ)。
公務員人事管理に関する報告では、国民の信頼回復に向けたとりくみや人材の確保と育成の考え方を示しました。さらに、長時間労働の是正を図るため、超過勤務命令の上限を人事院規則で定めることや、仕事と家庭の両立支援、ハラスメント防止対策などとともに、非常勤職員の慶弔休暇などが盛り込まれました。
また、公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げるための意見の申出も行われ、定年前の再任用短時間勤務制や役職定年制の導入、給与水準を60歳前の7割とすることなどがあげられました。
自治労は同日に見解を発出し、勧告や意見の申出の完全実施を求め総務省・国会対策をさらに強めていくとともに、各単組に対しては賃金確定闘争を通じて人事委員会対策や首長交渉を強化し、労使交渉による賃金決定にむけとりくみを進めるよう求めています。
今回の人事院の勧告内容は、今後各政令市で行われる人事委員会勧告に大きく影響しそうです。とくに、定年引上げについて申出を行ったことは評価できるものの、給与水準などが春闘結果からは不十分であり、今後の大阪市人事委員会報告・勧告で、どの程度言及されるかを注視していくとともに、市労連に結集しながら市人事委員会へのとりくみを進めていきます。
また、非常勤職員について、均等・均衡待遇の趣旨を踏まえ、慶弔休暇の拡充が措置されることとなりました。2020年4月から新設される会計年度任用職員の制度構築につなげるため、市人事委員会報告・勧告に盛り込ませることが重要となります。
大阪市職は確定期にむけて、書記長・調査部長会、支部長会等で勧告内容の共有化をはかったうえで、2018賃金確定要求(市職案)について議論を行うとともに、給料表などの積み残された課題をはじめ、仕事と家庭の両立支援や災害対応などの今日的な課題の前進を図っていきます。
10月の市労連大会以降、対市側交渉など確定闘争は本格化することとなりますが、組合員の賃金・労働条件を守るため全力でとりくんでいく決意です。組合員のみなさんの結集をお願いします。【大阪市職本部調査局】