更新日:2008年6月6日

植林活動や小学校訪問など現地の人々との交流深める

自治労大阪府本部・中国黄土高原緑化事業
第3期訪中団報告

植林をしている写真

成長を願っての植林活動

 「地球の緑を守り、緑とともに生きるために」をテーマに、自治労大阪府本部は2006年から5年間の計画でNPO団体「緑の地球ネットワーク」と協力して、中国黄土高原植林活動に取り組んでいます。4月24日から28日にかけて、第3期20人が現地を訪問し、緑化事業を行いました。大阪市職からは4人が代表参加しました。

 第3期団一行は4月27日、大同市から東へ約20キロの地点にある「かけはしの森」を訪問。「かけはしの森」では、総勢50人以上の鑼鼓隊(らこたい)と呼ばれる、鮮やかな衣装をまとった銅鑼と太鼓で熱烈歓迎を受けました。

 自治労共済大阪府支部が設立5周年記念事業としてのトラックの贈呈を行いました。大同市GENの武所長は、「トラックは、かけはしの森が発展するために大活躍してくれると思う。これからも一本一本、責任を持って、植林していきたい」と感謝の意を表しました。その後、一行は植林活動とともに、小学校の訪問など、現地の人々との交流を深めました。

トラック贈呈式の様子

トラック贈呈式の様子

参加者の報告


「小さな積み重ねが大きな成果に」

環境局支部 奥田 智之

小学校の様子

小学校の様子

 現地での活動は植樹と言った作業だけでなく、現地の小学校訪問や、農村の家での昼食、トラックの贈呈、以前の参加者が植樹した場所の経過観察など、かなりのスケジュールだった。その中でも特に印象に残っているのは、経過観察をした時だった。

 2年前の参加者が標高1500mの山頂や山の斜面に植樹した木の苗が、年中雨も少なく水不足のとても厳しい環境であっても着実に育っており、一面が緑で覆われている所や、所々にきれいな花を咲かせている木もあった。自分の想像では黄土高原は緑が少なく、あっても枯れてしまっている様な所だったが全く違っていた。みんなで少しずつでも協力すれば、大きな事が出来ると改めて感じたし、緑や環境を壊すのは簡単だが元の姿に戻すのは大変な苦労と努力と時間が必要である事も感じた。

 『お前、パスポート持ってるか?』と、ある休日の外出先にかかってきた内容もわからない1本の電話から今回の参加となったが、初めて行った中国の見知らぬ土地で一緒に過ごした参加者や、訪問した小学生や昼食でお邪魔した家の方々、そしてずっとお世話になった“緑の地球ネットワーク”のスタッフの方々を含め色々な人との交流し、ここでは書き尽くせない程の経験をした。これを機に、環境や緑について少し考えようと思った。また、再び現地の活動にも参加できる機会があれば絶対に参加したいとも思った。


「問われる自身への環境問題の実践」

 西区役所支部 上田 広志

 異文化の中で行う植林活動を通じて、環境問題をより大きな視点で考えることができるようになったと思う。私はこの活動に参加するまで府本部が「かけはしの森」の植林活動をしていることなど全く知らなかった。中国で環境汚染が進んでいることも、深刻な水不足も、日々広がっていく砂漠化の問題も考えることが無かった。これを機会に中国という国に興味を持てたこと、私たちを快く迎えてくださった中国の方々や一緒に活動を行った仲間たちとの思い出、すべてが私にとって何物にもかえがたい宝物だ。

 現地では今でも地道な植林活動が続けられている。私たちが行った「環境林センター」ではその足跡を所々に見ることができた。でも私が本当に痛感したのは、現地ではお金も労働力も大変不足しているという事実。これからはこの事業に参加した私たちが、この活動の大切さと必要性を訴え続けるとともに、自分達にできる身近な環境へ取り組みも行っていかなければならないと感じた。

 また、今年の5月に四川省で大地震が起き、7万人をも超える死者を出している報道に衝撃を受けた。被害を受けた方々に平穏な生活が一日も早く戻るよう願うとともに、今回活動をしてきました大同市での緑化の取り組みもこれによって立ち止まってしまわないことを願っている。


「環境資源の大切さを痛感」

ユース部常任委員 都市整備局支部 柴野 裕也

着実に育つ植樹した木々

着実に育つ植樹した木々

 実際に黄土高原を訪れ、これまでの緑化事業により多少の緑が存在するが、ほとんどは茶色い高原が広がっていた。現地での作業としてはマツなどの植樹、トネリコの植替え、アンズに井戸水を送るための土の水路作りを行った。スコップを持ち、乾燥している土壌を掘るのに最初は苦労したが、少しずつ慣れていった。

 黄土高原も昔は森林が広がっていたという。燃料や建設材のための伐採や開墾により、森林は破壊されたようである。今は乾燥し痩せた土壌が広がっている。痩せた土地には保水力がない。保水力がないと植物が育ちづらいという悪循環となっており、このような土地に植物を再生させるのは大変難しい事であると学んだ。

 木を切る事は簡単であるが、一度破壊された森林を再生させるのは大変な労力と時間がかかる。長年の事業の成果によって育っているアンズやマツなどの生命力の強さに感心すると共に、作業を通して植林の大切さを学んだ。

 現地の農家を訪れ昼食を頂く機会があった。一つの容器に入った井戸水でみんなの手を洗った。日本では蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくる。いかに現地では水が大切かという事を思い知らされた。改めて水も大切な資源であり、大事にしなければならないと思った。

 今回、黄土高原緑化事業に参加し、とても貴重な経験をさせて頂いた。五日間の行動で、現地からすれば役立ったかどうかもわからない作業量であったが、水や森林などの資源を大切にしなければならないと痛感した。日本は豊かな生活を送っている。しかし、資源の無駄遣いをしている事も多いと思う。困ってからでは遅い。この事業を通して、環境に配慮したひとり一人の地道な取り組みが必要であると感じた。


「道具はスコップのみ 人力が頼りの作業」

阿倍野区支部 岡村 有祐

 一日目、北京空港に着き、最初に感じたことは空気の状態だった。やはり、少し陰っている気がした。北京からバスで6時間位かかる大同市に向かう道中、乾いた大地と草ばかりで、木が生えていても日本のように太く背の高い木はなく、雨が少なく植物が育つには、とても厳しい環境なのだと感じた。

 現地で技術指導をしている遠田先生(元東北大教授)が、「植えることは簡単。しかし、その後の剪定等の維持管理を行う技術を伝えいかなければ、本当の意味での成功とは言えない。しかし、過疎化が進み若い労働力がとても不足している」と説明。中心都市に物や人が集まり、農村では人不足となる状況は、どの国でも同じ悩みなのだと感じた。

 環境林センターで密植状態のトリネコの苗の移植作業を行い、次の日は「かけはしの森」で植えられている葡萄の苗に水を引くために溝を掘り、簡易水路を完成させた。この二つの作業で使用する道具は、スコップのみ、加えて全て人力。慣れない作業で大変苦労したが、現地の人は器用に作業を行っており、10haもあるかけはしの森をスコップのみで耕していると思うと、脱帽の思いだった。

 中国での最終日に、カササギの森を訪れた。600haもある広大な土地に対して緑化活動を行っている場所だが、ボランティア活動が進み植林できる土地がほとんどなくなっているそうだ。しかし、周りを見ると、人間の手がついていない場所は、緑がなく荒果てており、植物が自生することができない土地であることも分かった。

 今後、経済成長ばかりではなく、訪れた農村の生活基盤の整備や緑化事業へのさらなる支援がなされればと思う。また、自分自身もそのような意識を持ち生活できればと感じた。普通では経験できない経験をさせていただき、ありがとうございました。