更新日:2012年8月10日

大阪市会で3条例が可決
市職本部が抗議声明

 「給与制度改革」「大阪市労使関係に関する条例」「職員の政治的行為の制限に関する条例」が7月27日、大阪市会臨時会で可決・成立、8月1日より施行されることとなりました。

  市職は市労連交渉を通し、「給与制度改革」「大阪市労使関係に関する条例」について、労使合意に至らない中での条例化に抗議し、闘争本部体制のもと、とりくみを推進してきました。

 また、「職員の政治的行為の制限に関する条例」については、憲法で保障された個人の権利を奪うものであり、条例化すること自体にも問題があることから、一貫して反対してきました。

 今回の市会での条例化に対し、市職本部闘争委員会は声明を発出し、抗議の意を明らかにしました。

抗議声明

  2012年7月27日、市側提案の「給与制度改革」、「新たな労使間ルール」ならびに「職員の政治活動の制限」が臨時会本会議で可決・成立、同年8月1日より施行されることとなった。

 市側のこの間の対応は、まずマスコミ報道を先行させて既定事実を作ったうえで提案するという極めて不誠実なものであることに、強い怒りを覚える。また、交渉期限については第1回の団体交渉時から既に決まっており、労使合意に向けた譲歩の余地がない中での交渉は、労使交渉を蔑ろにするものであり、明らかに不誠実交渉であると言わざるを得ない。こうした労使関係を軽んずる市側の姿勢に、われわれは憤りを感じている。

  それでも、われわれは市労連に結集し、労使交渉・労使合意の上で条例化するという「健全な労使関係」を重視し、真摯に交渉をしてきたが、市側は頑なな態度を変えることはなかった。

  また、労使交渉を打ち切られた以降も、人事委員会への要望書の提出や関係先への情報提供など、あらゆる手段を講じて早急な条例制定・条例施行を行わないよう求めてきた。

  「給与制度改革」について、人事委員会は、市会から照会を受けており、その回答として「職員にとって大変厳しい内容となっていること」から「職員の士気の低下」に危惧したうえで、「職員の士気の維持・向上の取組みがなされることを望みます」と指摘してきたにもかかわらず、また、勤務労働条件に関する事項は、本来、労使合意の上で改定されるべきものであるにもかかわらず、われわれに納得できる理由を示すことがないまま、一方的に議会に上程したことには大いに不満である。さらに、労使合意を得るために双方の歩み寄りにより実施してきた「現給保障」についても廃止としたことは、この間の経過を蔑ろにするものであるとともに、労使合意の前提条件を否定するものであることから、断じて容認できるものではない。

  大阪弁護士会、連合大阪をはじめとする多くの団体・労働組合の声明・見解等にもあるように、①「新たな労使間ルール」については、一部の事象をとらまえて、労働組合を敵視するとともに、交渉事項に大幅な制限を加えるなど、憲法28条に抵触する恐れがあること、②「政治的行為の制限」については、反原発運動や平和運動などの社会運動を含む一切の「政治的活動」や「政治的発言」に規制を加えることは、たとえ公務員であっても憲法19条および28条に違反することが明白であるから、廃案とすべきとの声が上がっているところである。
加えて、労使での意見交換の拒否、勤務時間外の会議室など職場・組合員への報告・意思決定にとって重要な「便宜供与」の廃止は、労働組合の弱体化を企図したものであることから、不当労働行為と言わざるを得ない。

  とりわけ、「政治活動の制限」について、国家公務員法を踏まえて作成したとしているが、橋下市長は、市会財政総務委員会で「制限が広すぎる部分がある」と自ら行き過ぎを認めているにもかかわらず、また、地方公務員法の制定にあたっては、そうした制限を大幅に縮小した経緯を無視し、時にはそうした経緯を逆手にとり、国家公務員と同様とするとしたことは社会的にも大きな問題となっている。少なくとも、国家公務員の政治活動に係る事案が最高裁判所で係争中であり、その違法性が問われているなかであることから、その判断を踏まえたうえで慎重に取り扱われるべきものであると考える。

  いま、民主主義社会においては、広く国民が様々な場面・事象に対して大いに議論されることが求められており、民主主義の維持・発展のためには、「思想・信条の自由」が保障されるべきである。しかし、これら条例は、こうした考え方に逆行するものである。
労使双方が互いの立場を尊重し、正常な労使関係のもとで、市民ニーズを理解している現場職員=組合員を組織する労働組合と必要な交渉や意見交換等を行うことは非常に有益であると確信している。

  こうした認識の下、これら条例の施行が社会に及ぼす影響を広く斟酌され、そして、これら条例が直ちに廃止されるよう切に望むものである。そして、大阪市においては、真に正常な労使関係の構築と労使合意の上での勤務労働条件の変更システムを遵守するよう強く求めるとともに、労働組合を否定して、すべての労使関係を破壊し、組合員である大阪市職員の生活と思想を脅かす市側姿勢に対し、強く抗議する。

 

2012年7月27日
大阪市職員労働組合