更新日:2010年3月29日

区連が小川総務政務官、稲見衆議院議員と意見交換

大阪市の生活保護行政などにかかわり

 大阪市職員労働組合区役所支部連絡協議会(以下、区連)は、3月5日午前9時から衆議院議員会館第2会議室で、24区役所支部長と小川淳也総務大臣政務官、市職出身の稲見哲男衆議院議員と大阪市の生活保護担当現場の課題に関わって意見交換会を行いました。当初参加予定の藤村衆議院厚生労働委員長については、厚生労働委員会開催のため急遽欠席となりました。

 今回のとりくみについては、区連として大阪市における生活保護担当現場の課題について、国政の場に現場実態を反映するとともに、労働組合の政策提言も含めて求めていくために行われました。

要望を伝える徳野区連議長

要望を伝える徳野区連議長

 徳野区連議長から、(1)生活保護制度の抜本的改革に向けた取り組みについて、(2)業務執行体制のあり方について、(3)生活保護行政の適正実施・市民の信頼確保に向けた方策の検討についての3点について、大阪市における生活保護担当現場の課題について報告を行いました。

 とりわけ、業務執行体制のあり方に関わっては、「被保護世帯数が急増している中で、短期間の『任期付職員(4条)』の活用は様々な問題を生じさせることが懸念されるところであり、市民の生命に直結する業務であるだけに、公的責任を担いうる体制の確立が必要であること」「専門スタッフの配置によるチームアプローチ体制の確立と市民セクターによる社会資源の充実が不可欠であること」などの要望を行いました。また生活保護行政の適正実施・市民の信頼確保に向けた方策については、「適正化や『不正受給』防止に名を借りた『受給抑制』『申請抑制』にならない制度運用」「『不正請求』や悪質な『貧困ビジネス』対策として、予防的施策として『居住福祉』の充実」などについて要望を行いました。

 さらに、あいりん地域をかかえる西成区の現状について、木村西成区支部長代行から報告が行いました。今日的な経済不況によって、生活保護がかかえる問題が西成区だけの問題ではなく、大阪市全体の課題ひいては全国的な課題であることがようやく認識されようとしてきたこと、一般で200世帯、高齢で500世帯を超えるケースを抱えるケースワーカーもおり、現在の配置基準では限界を超えている実態になっていること、被保護人員が区民の4分の1を超える状況の中で、生保受給世帯に対する厳しい感情が、まちづくりを進めていく上での克服すべき課題となっていること、区内では生保受給者に向けた業者による違法ビラが横行していることなどについて報告がされました。

意見表明を行う小川総務大臣政務官

意見表明を行う小川総務大臣政務官

 小川政務官からは、「つぎはぎの施策を実施するのではなく、本当は保護に追い込まれざるをえない人を減らすことが一番の対策であり、そのためには雇用のセーフティーネットを張りなおす必要がある、さらには雇用が生み出される経済環境を作っていかなければならない。国が本来背負うべき社会保障の最後のセーフティーネットである生活保護制度で地方自治体が苦しんでいる。この点は、根本に遡って議論すべきであり、国と地方で協議をする場の設置、地方自治体の意見を踏まえた施策の実施が必要である。安定的な施策の確立に向け取り組んでいく」との見解を表明されました。

意見表明を行う稲見衆議院議員

意見表明を行う稲見衆議院議員

 稲見議員からは「これからの日本の社会保障制度をどうしていくのか、高齢化の進展の中での安心できる年金制度の確立、雇用の悪化・格差の拡大の中での自立支援に向けた施策の実施などを含め、生活者の視点に立って取り組みを進めていきたい」との、意見の表明を受けました。

 また、意見交換の中で、任期付職員の採用に関連して、職員数抑制の動きの中で安易に制度運用されると、いわゆる官製ワーキングプアを作り出してしまう制度になってしまう点や地方分権に関わっての府知事発言に対しての認識について質問が出されました。

 小川政務官からは「自治体に限らず日本の雇用環境全般に関わる課題であり、非正規雇用が雇用者の三分の一を占める状況になっており、今まさに雇用環境の安定が求められている中で、雇用が二分化している。このような中で、雇用が正規と非正規にあまりにも二分化されていることに対して、広島電鉄のように問題提起している企業が出てきている。雇用形態のあり方については、日本の将来を考えると避けて通れない問題であると認識している。身分的に雇用が固定化されている日本社会において、社会の構造変化をにらんだ雇用制度の新しいあり方を視野に入れて考えないと、根本的には解決しないのではないかと思っている。地方分権議論については、様々な意見があるが、民主党政権としては、基礎自治体重視という立場を鮮明にしており、議論が進められている。省庁内でも現在大都市制度の見直し議論がされている。一例であるが、イギリスのバーミンガムといった大都市においては、一層性で自治体運営がされており、あらゆることに対して基礎自治体が責任を負って相当大規模に行政をおこなっている。それが大阪市なのか大阪府なのかは議論のあるところであるが、いずれにしても、何が市民にとって必要なことなのかを念頭に、しっかりと議論していく必要がある。」との意見が示されました。

 最後に区連として、今回の意見交換会も含め、大阪市の生活保護担当現場の課題についてとりくむ決意を表明し、意見交換会を終了しました。