更新日:2008年5月27日

防災のまちづくり現地調査報告(下)
-ヨコハマ市民まち普請事業で助成

大切な地域での防災意識の高まり

 横浜市西戸部地区の現地見学では、同地区第1自治会会館に自治会とまちづくり組織「わくわく倶楽部」、アドバイザー、および横浜市担当者など10数人の皆さんに集まっていただき、とりくみ経緯等の説明を受けました。

 同地区は、「ヨコハマ市民まち普請事業」の助成を受けています。同事業では、「アイディア勝負」の1次コンテストで選ばれた活動へ30万円限度の活動助成金を交付。さらに実現性を重視した2次コンテストに向け、市が専門家紹介や関係機関との協議を支援しています。2次選定された活動には500万円限度の整備助成金(設計・工事・工事監理費)が交付され、最低5年間を目安に市との間に「管理協定」を結ぶそうです。同自治会では、2006年度に応募、1次選考された後、「わくわく倶楽部」として、防災用の雨水タンクや簡易井戸を町内に配置する等の事業計画が2次コンテストでも選定されました。

住民が手づくりした「せせらぎ」

住民が手づくりした「せせらぎ」

 実地調査では、まず西戸部2丁目公園を見学しました。250リットルの雨水タンクが2基設置されていました。基礎は業者が施工しましたが、集水用の配管やタンク設置は住民が行いました。公園には雨水貯水槽も埋設してあり、手押し汲み上げポンプを設置、排水溝まで水が流れる「せせらぎ」がありました。「せせらぎ」は業者指導のもと、住民がタイルを貼るなどして施工。子どもにポンプを使わせようという発想で、レバーの可動範囲などけがをしないよう配慮していました。

 次は民家の敷地に設置された200リットル雨水タンク(設置は「倶楽部」が手伝った)を見学しながら、未完成の雨水貯水槽を見学。道路拡幅工事に関連させて工費を節約し、また近くの私有の自噴井戸から水を引く計画でしたが断られたので雨水利用に転換したという。この施設の完成で助成事業は終了しました。

 自治会、「わくわく倶楽部」の皆さんからは、「小学校が避難場所として設定されているが、坂もあるので、公園を避難場所にという思いが地域にあった」「事業を行う前に、まちあるきや墨田区などの現地視察を行った」「道が狭く、通り抜け不能な場所も多い。消防車が入れず延焼したことがあり、空き地の通り抜けが可能にならないか考えている」など、東成区の今里地区でこれまで議論してきたことと同様の話がありました。

 また、「工事はできるかぎり自分たちで。人集めが大変だが、様々な技術を持った人が集まり、作業従事の過程で地域の団結力は高まった」「事業は試行錯誤の連続。みんなでアイディアを出し合い、工夫して乗り切った」「みんなで作業していると何をしているのかと思われるので、他地域へのPRも兼ねて、説明資料をつくった」との話も。墨田区「一言会」と同様、同地区でも「わくわく倶楽部」を通じて、女性の参加が得られていました。

今回の見学を通じて感じたのは、様々な過程で住民が参加し、共同作業すると、防災のまちづくりへ地域の意識が高まるということです。「手づくり」した施設へは維持管理の協力も得られやすいし、また高齢化で人集めの大変さも指摘されましたが、この点で労働組合が地域に貢献できる余地があるのではないかと思いました。