更新日:2008年4月18日

防災のまちづくり現地調査報告(上)
-すみだ環境ふれあい館

雨水利用の情報拠点に

 市労連「第1回地域フォーラム」では、昨年9月「防災まちづくり」をテーマに、東成区今里地区町会の協力を得てフィールドワークを行いました。続いて開かれた「地域防災を考える-市民協働で考えるまちづくり-」で、大阪人間科学大学の片寄俊秀先生が、墨田区向島の雨水を利用した「路地尊」を紹介。「路地のまち今里」での継続的なとりくみの参考とするため、市労連地協・居住者会が現地調査を企画しました。大阪市職からも市政改革推進委員会「防災」ワーキングチームが同行しました。3回の予定で現地報告します。

廃校になった小学校が「すみだ環境ふれあい館」に

廃校になった小学校が「すみだ環境ふれあい館」に

雨水利用の拠点施設「雨水資料館」の写真

雨水利用の拠点施設「雨水資料館」

 現地調査には、地域から今里連合町会長の田中さん、第11町会長(防災担当)の岡本さん、アドバイザーとして「みつや交流亭」でもお世話になっている片寄先生に同行いただきました。

 最初に訪問したのは、「墨田区立すみだ環境ふれあい館」と、同館内にある「雨水資料室」。担当者の説明を受けながら施設を見学しました。

 墨田区は隅田川と荒川に囲まれ、しばしば水害に見舞われました。しかし、「雨水を排水するだけでなく、貯めて利用できないか」と、「雨水市民の会」事務局長で墨田区職員の村瀬誠さんが提起。廃校となった小学校を活用した「すみだ環境ふれあい館」1階に「雨水資料室」を企画・開設しました。施設は区立だが、改装やレイアウトには市民が参加しています(2001年完成)。

 同資料室には、雨水と雨水利用について様々な展示がありますが、ペットボトルを利用して世界の年間降水量を表現した展示は市民の手づくりであり、スクリーンの展示はコピー機メーカーに提供してもらうなど、市民・企業との協働でつくられています。交流ルームには「雨のえほんひろば」があり、市民から提供された雨や環境に関する絵本や書籍を展示し、市民による読み聞かせも行われています。

様々なサイズ・種類の雨水タンクを展示-設置方法や機能を担当者から説明を受ける参加者

 中庭には、「雨水利用事業者の会」の協力を得て、災害時に水を確保するための雨水タンクの実物展示があります(設置にあたって墨田区の助成制度あり)。参加者が心配していたことだが、タンクにはふたをしているので、貯まった雨水に蚊が発生して困ったという例は聞いていないとのことです。タンクの製造業者への発注のためのカタログも準備されています。

 中庭中央には「雨水ハウス」が設置され、大きな工事なしで簡単に装着可能な雨水集水装置や節水トイレ、オーバーフローした雨水を浸透させるための模型等を展示しています。

 同施設は、雨水に悩まされていることを逆手にとって、雨水利用の日本における「情報拠点」となっています。新しい施設を建設するのではなく、小学校という地域住民にとって思い入れのある施設を活用していることが、市民の積極的な参画を促しています。今里地区の防災まちづくりでも、地域住民の思い入れのある施設をその拠点として活用できないかと参考になりました。次回は、いよいよ墨田区向島の「路地尊」の見学報告をします。